注射を毎日打つという生活がスタート
ハワイ留学中に症状が悪化してしまう一方で さすがに自分の身体がおかしいと思い、小さな病院で検査をしてもらうことになりました。その病院でしてもらったのは血液検査と尿検査です。どうせそこまで大きな問題ではないだろう、これ終わったらワイキキのビーチに行ってバーガーキングで昼飯を食べようと考えていたのです。
しかし、検査結果が出るまでの時間が異常に長いんです。あれ?なんでだろ?っと少し不安になりつつも、大丈夫問題ないと自分の中で言い聞かせていたのを覚えています。
しかし、その結果は自分には重過ぎたのです。その医者はなんのとまどいもすることなく「貴方には糖尿病の疑いがありますね」 こう言ったのです。
正直意味不明でした。この医者、患者を間違えているのではないか?でも結局は大きな病院で検査入院と言うので意味がわからないまま入院をさせられてしまいました。
この間の辛さというのはもう一生経験したくありません。ただその時に一緒についてきてくれた女の子が一生懸命慰めてくれていたのです。その慰めもあってなんとか重い足どりで大きい病院へ行くこととしました。その病院ではわけのわからない点滴や注射を何回もさせられて、その全てが英語と言う最悪の中で時間だけが過ぎていったのです。
その時の通訳の日本人の人の態度も怒りを覚えてしまうほど悪く、もう追い詰められていく一方だったのです。それからやっとのことで入院室に入ることができ、一人になることが出来たのです。ちょうどその時に、自分の親から電話がかかってきました。
あの時のことは鮮明に覚えています。あそこまで自分が泣いたのは生まれて初めての経験です。電話でも言葉がうまく出ずに一方的に切ってただただ泣くばかりだったのです。
孤独と情けなさと劣等感で心がいっぱいでした。その当時は糖尿病というのは人にばれるのが嫌で仕方がありませんでした。その理由は、糖尿病というのは食べ過ぎでスポーツもほとんどしないでと言った少ない知識で勝手にそれを恥ずかしいものだと思っていたからです。
これまで健康そのものと思っていた自分の身体に裏切られた感覚でいっぱいでした。血液なんていつでもサラサラだと思ってたのにこんなことになるなんて…。そして退院をしてそれから自分がこの病気と付き合っていかなければならないと思うと勉強する気もなくなってしまい、ほとんどの単位を落としてしまったのです。
それからインスリン注射をはじめ、注射を毎日打つという生活がスタートしました。